メタボリックシンドローム・内臓脂肪が多いと悪玉(LDL)コレステロールも連動して上がる?お腹のお肉とコレステロールの関係を看護師が解説!(1)メカニズム編

1964_129メタボリックシンドローム、いわゆる「メタボ」という言葉は、すでに社会に浸透し、健康診断での腹囲測定や、中性脂肪、悪玉コレステロール(LDL)の数値が話題になることも多くなりました。
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お腹がポッコリ出てきた、健康診断で要注意と言われた…そんな時は何に注意したらよいでしょうか。

メタボリックシンドロームになってしまう原因は何か、内臓脂肪と悪玉コレステロールの関係、そして改善方法について看護師が解説していきます。

メタボ×コレステロールの対策を知りたい方は後編へ→メタボリックシンドローム・内臓脂肪が多いと悪玉(LDL)コレステロールも連動して上がる?お腹のお肉とコレステロールの関係を看護師が解説!(2) 対策編

メタボリックシンドロームと内臓脂肪

よく聞くメタボリックシンドロームですが、どのような状態のことなのか、そして内臓脂肪との関係を見てみましょう。

メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪症候群とも言われます。

内臓に必要以上に脂肪が蓄積すると内臓脂肪型肥満となります。

そこに高血圧、高血糖、脂質代謝異常のうち2項目以上が加わり、動脈硬化性疾患(心臓病や脳卒中など)を起こしやすい状態のことをメタボリックシンドロームと言います。
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脂肪は内臓、特に肝臓や腸間膜(小腸や大腸を支えている膜)に蓄えられやすいため、お腹がポッコリした「リンゴ型体型」になるのが特徴です。

内臓脂肪はなぜ増える?

食事などで摂取したエネルギーは、余ると「余剰エネルギー」として中性脂肪に変換され、脂肪細胞に貯蔵されます。

主に内臓にある脂肪細胞が貯蔵庫になっています。

余剰エネルギーが増えると中性脂肪も増え、その中性脂肪が脂肪細胞に入り込むため脂肪細胞は膨張し、元の大きさの3倍にも肥大します。

1964_133内臓にある脂肪細胞が肥大した状態が内臓脂肪型肥満です。

主な原因としては、食べ過ぎによる摂取エネルギーの過剰、運動不足による消費エネルギーの減少が挙げられます。

また加齢による基礎代謝の低下、性ホルモンの減少により脂肪がつきやすい体質に変化することも原因になります。

内臓脂肪が多いとなぜいけない?

内臓脂肪の機能は、エネルギー貯蔵のみだと考えられてきました。

しかし最近になり、脂肪細胞からはさまざまな生理活性物質(アディポサイトカイン)が分泌され、血液中の糖質や脂質、血圧のコントロールなどに大きく関わっていることが解明されてきました。

脂肪細胞が肥大するとアディポサイトカイン分泌のバランスが乱れ、動脈硬化を促進し、高血糖、高血圧、脂質異常などを引き起こすのです。

内臓脂肪と中性脂肪、コレステロールの関係

1964_131内臓脂肪は中性脂肪を貯蔵していますが、コレステロールとはどのような関係があるのでしょうか。

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内臓脂肪肥満は血液中の中性脂肪値を上げる

内臓脂肪に貯蔵される脂肪は、余剰エネルギーから変換された中性脂肪です。

脂肪細胞に中性脂肪が増え過ぎると血液中に放出されます。

また、内臓脂肪細胞からは生理活性物質の一つである「アディポネクチン」という血圧や中性脂肪を下げる物質が分泌されますが、内臓脂肪肥満で脂肪細胞が肥大していると、その分泌が抑制されてしまいます。

これらの結果、血液中の中性脂肪値が上がってしまうのです。

中性脂肪とコレステロールは相関関係がある

中性脂肪が増えると悪玉コレステロールも増えることが多いです。

それはなぜでしょうか。

まず、体内で脂質がどのように運搬されるか見ていきましょう。

<脂質を運搬するリポ蛋白>
中性脂肪やコレステロールは、血液に乗り必要な組織に運搬される必要がありますが、脂質のため、そのままでは血液中に溶け込めません。

そのため、小腸や肝臓で親水性のあるタンパク質と結合し「リポ蛋白」となります。

リポ蛋白は複合粒子で、外側は親水性のアポ蛋白質・リン脂質、内側は疎水性の中性脂肪・コレステロールで生成されています。

リポ蛋白は、粒子の大きさ、比重の違いにより次のように分類されます。
  • カイロミクロン(アポ蛋白質/リン脂質5%:中性脂肪90%:コレステロール5%)
  • VLDL=超低比重リポ蛋白(アポ蛋白質/リン脂質30%:中性脂肪50%:コレステロール20%)
  • LDL=低比重リポ蛋白(アポ蛋白質/リン脂質40%:中性脂肪10%:コレステロール50%)
  • HDL=高比重リポ蛋白(アポ蛋白質/リン脂質80%:中性脂肪5%:コレステロール15%)

<リポ蛋白の流れ>
合成されたリポ蛋白は次のように体内を巡ります。

食事から入ってきた中性脂肪など
↓ 小腸で吸収
カイロミクロンが合成される
↓ 肝臓へ輸送
VLDL=超低比重リポ蛋白が合成される
↓ 血液に乗り体内を巡る
↓ 中性脂肪を分離し、脂肪組織や筋肉に供給
LDL=低比重リポ蛋白になる
↓ コレステロールを分離し、血管や細胞に供給
HDL=高比重リポ蛋白になる
↓ 血管や組織に溜まった余分なコレステロールを回収
肝臓に戻る

1096_12このように中性脂肪やコレステロールは体内を巡り、最終的にHDLがコレステロールを回収するサイクルになっています。

LDLは、血管壁に蓄積すると動脈硬化を促進するため悪玉コレステロール言われています。

HDLは、LDLを血管や組織から回収し、肝臓に戻す役割をします。

その結果、血液中のLDLが減り、動脈硬化を抑制することにつながるため、善玉コレステロールと言われています。

<中性脂肪が多くなると…>
中性脂肪が増えると、LDL(悪玉コレステロール)も増え、HDL(善玉コレステロール)が減ってしまいます。

それは次のようなサイクルに陥るからです。
中性脂肪が増える

小腸でカイロミクロンが多く作られる

肝臓でVDLDが多く作られる

血液中のLDLが増える

組織でのコレステロールが飽和状態になり、受け入れ先がなくなる

受入れ先がないので、LDLからコレステロールを分離できなくなる

HDLに変わることができない

HDLが少なくなる

LDLは、回収されずそのまま血管や組織に溜まっていく

動脈硬化が促進される

このように内臓脂肪が増えると中性脂肪が増え、コレステロールも増えるという悪循環に陥り、動脈硬化を促進することにつながってしまうのです。

まとめ

1964_132中性脂肪とコレステロール、メタボリックシンドロームには密接な関係があることがわかりました。

どれか一つでも健康診断で引っかかっている人は、何かしらの対策を今日から始めましょう。

連動しているからこそ、どれかひとつを改善できると体全体によい影響が出ます。

後編では、具体的な対策を解説していきます。
メタボリックシンドローム・内臓脂肪が多いと悪玉(LDL)コレステロールも連動して上がる?お腹のお肉とコレステロールの関係を看護師が解説!(2) 対策編

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。